唐突に道徳と雲中子をイチャイチャさせたくなった


「どーう、とくー」
「ん、なんだ?」
 珍しく珍しく、雲中子が道徳にぺたぺたと触れて、じゃれてくる。
「ねえ、道徳ってさー」
 バンダナを軽く引っ張ってから、手を離す。
 ぱちんと音がして、道徳が一瞬顔を歪めた。
「なんだよ」
「道徳は、なんでこんなにあったかいんだい?」
 雲中子の掌が、道徳の頬に触れた。
「――ていうか、なんで雲中子は、こんなに冷たいんだよ?」
 その手の上から、道徳は自分の手を重ねた。
 冷たい手。大きさは変わらないのに、指が細いから、小さく感じる。
「雲中子って冷え性?」
「ん? そうかも?」
 道徳の頬と手に挟まれた雲中子の手が、少しずつ温度をもらってあたたかくなっていく。
「トシだからねぇ」
「いやいやいや。俺ら仙人だし」
「だから歳なんだろう」
「……ま、そうだけど」
 触れ合ったまま、もっと体温が欲しいと言わんばかりに、雲中子が道徳に体重を預ける。
「おっと」
「ふふ」
「お前なぁ」
「だめー?」
「…………いや、いいんだけど、さ」
 雲中子一人分くらい、道徳が支えるのは訳ない。
 背中を撫でてやれば、くすぐったそうに笑う。
 いつになく素直で扱いやすい雲中子に、道徳は少し戸惑ってしまう。
「いいけど、お前、そんなに無防備にしてると、襲われるぞ」
「えー?」
 一体何の周期なのか、雲中子は楽しそうに笑い出してしまった。
「なんだよ、お前」
 一方で意味が分からなくて、そろそろ本気でむかついてきた道徳。
「ほんとに、襲うぞ」
「いいよーぅ?」
 くすくすくす。できるものなら、やってみれば?と、薄笑みに書いてある。
「お前、さっきからどうしたんだ? なんかヘンな副作用でも出てんのか?」
「違うよー? 道徳、あったかいから」
 だから、くっつきたいんだよ。と、小さく小さく囁いて。
 道徳のあたたかい唇に、そうっと口付けた。




<終>











挫折気味。
もっと、こう……アレな感じにいちゃいちゃさせたい。