オリジナル2


仕事中、実働7.5時間のうち6時間くらいずっと、淳風のことを考えていた。
昨日太乙を描いたら満足して、ちょっと色物から離れてしまった。
なんかいつになく妄想がどんどん膨らんでいって、これは早く書き留めておかないと!と思って。今までぼんやりと「だいたいこんな感じ〜」というのだったのが、具体的にキーセンテンスとかシーンとかまで思いついてしまって。あれあれどうしよう淳風が動き出したよ。

「なあ、聞いていいか」
「何を?」
 ちらりと一瞬だけ、雑誌から視線を外して天綱を見た。手はページを捲っている。
「……李、…って、お前ってさ、中国人なのか?」
「いや、日本生まれの日本育ち。ずーっと何代も前の爺さんが中国人らしいけど、俺知らないし」
「へぇ」
「ま、更にその何十代も前はアフリカでナウマンゾウ狩ってたらしいしね?」
 雑誌に目を落としたまま答える、淳風は無表情だった。
 ふーん、と生返事をした天綱は、その回答に満足したのかどうか、またイヤホンを耳にはめた。


実在の淳風(名字は李/検索避け)じゃなくて現代日本にしたい。言ってしまえば二代目淳風。高校生の設定で…。一代目の淳風の遺言で「自分から数えて○代目の子孫に『淳風』と名付けるように」という、それで命名された二代目淳風、という設定だけどそんなの別に裏設定で良いか。唐代で生きた人の何代くらい後になるんだろうねー。
んで、特に気にせず色々書いてたんだけど、なんか勝手に淳風の口調が雲中子っぽくなる……。天綱(これを名字にしようと思う。あまつな君。名前は未定)というごく普通の人間のお友達をつけたらこいつが道徳っぽい喋りをしてしまう。やばいやばい、男の子同士の友達になると雲道の二人のイメージがあるらしいよ(笑)。まーいっか、と思ってあんまり修正しないけど。二人とも「俺」だけどねー。いまどきの男子高校生で「僕」とかの子いないでしょ…たぶん。うちの弟くん「わたし」だけど(何のキャラだお前!/笑)。
いや、書くだけ書いて満足して多分サイトに載せて終ると思うんだけど。ていうか書きあがらない可能性の方が高いんだけどー。せめて陽の目を見せてやらんと…。
つーか、天綱君には淳風の事を「淳!」って呼んで欲しいとかそういうあたりがオタク的で…もうしょうがないよねこればっかりは。オタクだからね…。


最近、リアルで、創作活動をしている人と出会う機会があって(小説家さんやらコピーライターさんやら)、なんか触発されてるんだと思う。年賀状も描けてないのに……。どうしても書いてしまいたいシーンがあって書いてたよ。
びっくりした。オリジナル小説でこんなのって初めてかも。詩もどきで試したい言葉とか技法とかネタとかが浮かぶことは稀にあるけど。どきどき。ちゃんと形になるかなー。




プロの作家さんってのは、きっと、オリジナルのネタを常にいくつもいくつも持っている、書かずにいられないキャラが自分の中にいる、次から次にアイデアが溢れている、これこれこういったものを書きたいという想いがある、そんな人じゃないと勤まらないんだと思う。出版社としてもそういう人に書いてもらってこそ利益になるわけで。
何年もかけてたった一つのネタを温めている私はそういう世界を目指しているわけじゃなくて、ただ、淳風に陽の目を見せてやりたい、それだけで。だから最終目標は「書き上げること、それもオフラインの知人に見せられる程度の仕上がりで」というラインになる。そこを目指すくらいのつもりで書いてないと仕上がらないし、逆に気楽に書ける。有名になりたいとか受賞したいとか思ったら書けなくなる。
版権物の場合は、「その作品を知っててキャラが好きな人に読ませられる程度に」とハードルが低くなるのでもっと書きやすいんだけど。いらない説明とか省けるし。
「太乙が」と書けば「ああ、太乙ね」と読む人は分かってくれているけど、私が今の段階でいくら「淳風が」と書いても誰も分からない。それを「ああ、淳風ね」まで引き上げないといけない。うーん。今の時点では「未来予知ができる」という設定以外はまだ全然確定してなくて、流動的。どこまで見えてるかが問題。
でも、ほんとに、いつか、書き上げるからね。



ところでナウマンゾウってアフリカにいたんでしたっけ。忘れたー。氷河期? モンゴルか? 古地球も地学の範囲なんだけど。ひたすら暗記するだけのところは忘れてるところが多いな。三葉虫中生代とかああいうの。温暖な浅瀬の海にだけ生息していた三角貝とか。ああこれくらいしか覚えてないや。残念。